«振り返り»

梅？　桃？　が咲いていました↑


今回の舞台は、お客様に育てていただきました。

自分が舞台を見に行って相当面白いと思っても、中々声を出して笑うところまで行かないのですが。
今回のお客様は、とっても良く笑ってくださる見達者な方が多かったのです。

お客様に笑っていただくたびに、戯曲の構造や、意味や、役のキャラクターがはっきり見えてきました。

『あ、今私感情が動いた』と思った瞬間に、顔に出たらしく笑いが起こったり。
逆に「ここは笑かそう」 と妙な色気が出たところは何の反応もなかったり。
無理やり笑わそうとするのではなくて、脚本が良いのだから、ただ役としてその場にいて反応すれば良いのだということが、身体で分かりました。

とても怖いことではあったのですが。
でもその方が絶対に面白いんだ、ということをその場で教えてくれるお客様達がいらしたから、飛び込むことができました。
忘れないようにしなくっちゃ。

コメディに苦手意識を持っていた私には、お客様の笑い声が何よりの贈り物でした。本当にありがとうございました。

しかし反省点も多々ありまして

私は、お金を取って、時間を費やしてもらうからには
技術的なものも含めて、最低限到達していなければいけないレベルというものがあると思っています。
正直言って、初日の舞台は、そこに達していなかったと思います。

もちろん、毎ステージ進化していくのはすばらしいことだし
最終的にはとてもよい舞台になりましたが、
それを是としてはいけないと思います。

少なくとも初日までには最低限であっても完成版を作り上げなくてはいけないと思うし
それが出来ないなら、プレビュー公演として、チケットの値段設定を低くする等の心使いは必要だと思います。
なので、私は、初日のお客様には何らかの形でお返しをしたいと思っています。

もちろんこれは私個人の考え方です。
ただ、本当に良くなっていった舞台だからこそ、稽古の段階でやるべきことをやりきれていなかった悔しさが残っています。
二度とこんな思いをしないですむように、どうすれば良いか、考えます。